
ニュージーランドへの留学に興味を持っている人は、その教育システムや、日本の教育システムとの相違点などに興味がある人も多いと思います。そこでこの記事では、義務教育期間について、教育のシステム全般について、専門学校や大学についての3点に注目しながらくわしく解説していきます。
ニュージーランドの義務教育期間は6〜16歳まで
まずは、義務教育期間について解説します。
学年の数え方
日本の小学校から高校に該当する学年のことを「Year」と数えます。そのYearは、1(5歳に該当)から13(日本の高校3年生に該当)まであります。
義務教育期間は6~16歳まで
日本の義務教育期間は6~15歳までですが、ニュージーランドでは6~16歳となっています。これは、日本の学年では、小学1年生から高校1年生までということになります。
6歳の4月に一斉に小学校へ入学する日本とは違って、小学校への入学資格は5歳の誕生日の翌日から得られます。また、日本でいう高校2年生と3年生は義務教育期間ではないので、大学や専門学校へ進学したい場合のみ、単位を取るために通うことになります。
学校への入学や卒業
ニュージーランドでは、入学する日や卒業する日はとくに決められていません。なぜなら、5歳になったその翌日から小学校へ入学できる一方、義務教育を卒業するタイミングは自分が履修している科目の試験が終了した時点となるからです。
そのため、入学式や卒業式といった盛大なイベントがほぼ行われません。
ニュージーランドの教育システム
ここからは、教育システムについてもう少しくわしく解説していきましょう。
ニュージーランドのNZQA
NZQAとは、New Zealand Qualifications Authorityの略称で教育関係の機関です。NZQAが担っている役割はたくさんあります。
代表的な役割としては、各校の質を4段階にカテゴライズすること、学生の授業料を補償すること、海外の卒業資格の認定をすること、NCEA(Year11~13の学生が受ける全国統一模試)の作成、評価をすることなどがあります。
授業料の補償について
NZQAは、自国の学生だけではなく留学生の授業料も補償してくれるのが大きな強みです。そのため、NZQAから認定されている学校に留学する場合は、もしも入学前に学校が倒産してしまっても授業料を返金してもらうことが可能です。
なお、NZQAが数年ごとに行う審査で授業の内容や質が一定の基準を満たしていると認められた学校のことをNZQA認定校とよびます。
NZQAによって認定されるレベルは4段階
専門学校や語学学校がNZQAによって認定されるレベルは、カテゴリー1~4の4段階です。一番ハイレベルなのがカテゴリー1で、そのあとにカテゴリー2、3、4と続きます。
なお、国立大学やその付属語学学校にはカテゴリーがありません。しかし、学業成績や自己評価組織能力は、一番レベルの高いカテゴリー1に相当するといわれています。
学校は4種類
ニュージーランドの学校の種類は、日本と同じく小学校、中学校、高校、大学の4つです。小中学校については全体的に公立校が多く、私立の学校ではかなりハイレベルな教育を受けられるのが特徴です。
高校について
ニュージーランドの高校生に該当するのは、日本の中学2年生から日本の高校3年生です。必須科目は日本でいう中学2年生(Year9)と3年生(Year10)で学習し、日本の高校生以上(Year11~13)では、基礎科目と選択科目を選ぶことになります。
また、高校生以上では、全国共通学力試験を受験する必要もあります。さらに、大学に進学を希望する場合は、入試に関する資格(UE)を取る必要があります。
高校の特徴
実際の学年と教科レベルがぴったりと一致していなくてもよいのがニュージーランドの高校の大きな特徴です。たとえば、苦手な教科があった場合には、その教科に関しては実際の学年よりもレベルを下げて取得することなどが可能なのです。
このシステムは、日本の学校と比べると柔軟なシステムだといえるでしょう。
専門学校・大学について
最後に、専門学校と大学について解説します。
専門学校
ニュージーランドでは、主要とされる都市に16校の公立専門学校があります。この公立専門学校はポリテクニックとよばれます。
そのほかにも私立の専門学校がたくさんあり、そこでも大学卒業資格にあたる学士号を取ることができます。
大学
国立総合大学が8校あり、この8校にはUniversityとの名称を使用できるという特徴があります。非常にレベルが高いのが特徴で、世界規模でみてもトップ50に入るような学部もあります。
なお、ニュージーランドの大学へは国内の学生だけではなく留学生が進学することが可能です。ただし、試験を受けるだけではなく、高校生のうちに大学進学に必要な単位を取得して申請しておく必要があります。
また、留学生が大学に進学したい場合には、ファンデーションコースとよばれる留学生向けの予備校もあります。
まとめ
この記事では、ニュージーランドの教育システムを、義務教育期間について、さまざまな教育システムについて、専門学校や大学についての3つの面から解説しました。入学日や卒業日が人によって異なること、高校の学年と教科のレベルはずれていてもいいこと、各校は4段階のレベルにカテゴリー分けされていることなど、日本との相違点もたくさんあります。ニュージーランドへの留学を検討している方の参考になれば幸いです。