
留学したい人とひとことでいっても、その目的は「英語をしっかりマスターしたい」「海外の文化にふれながら楽しく学びたい」など、さまざまだと思います。また、語学学校はたくさんあるので自分に合った留学先を見つけるのは大変かもしれません。そこでこの記事では、語学学校の種類や語学学校を選ぶ際のポイントについてくわしく解説します。
語学学校の種類は大きくわけて3つ
まずは、語学学校を大きく3つにわけてみていきましょう。
大学付属のESL(English as a Second Language)コース
1つめは、各国の大学や2年制の公立大学(コミュニティカレッジ)に付属しているESLコースです。これは、母国語が英語ではない人が英語を学ぶためのコースであり、リスニングや文法、発音はもちろん、ビジネス英語やディスカッションまで幅広く学べます。
また、1クラスには20~30名と比較的多くの人が在籍しているのが特徴です。授業のレベルは3~5段階で分かれていることが多く、初級レベルや中級レベルを選べばバランスよく英語力を高められます。
一方、上級レベルのクラスでは、進学に向けたレポートの作成やノートの取り方、図書館の利用方法なども学ぶことができます。ESLは基本的に進学希望者を対象にしたコースですが、初級・中級であれば語学研修としても利用できるでしょう。
短期間で英語力を高めるのが目的であれば、夏の短期コースがある大学を選ぶのもおすすめです。なお、コースの開始日は大学の学期と同じことが多いので、入学可能な時期はある程度決まっています。
また、受講期間は、一般的に3~5か月程度とされています。このような特徴から、ESLコースは、決まったメンバーで一定期間学習したい人や、自習スペースなどが利用できるキャンパス内で学びたい人におすすめです。
私立語学学校(大手チェーン校)
2つめは、大手チェーンの私立語学学校です。私立語学学校の大きな特徴は、さまざまな国のアクセス良好な場所に拠点をもっていることと、受講できるコースの種類が豊富なことです。
また、独自の教材やシステムを取り入れて生徒をしっかりサポートしてくれるのも強みです。そのため、英会話のレベルを上げたい、進学に必要な英語力をつけたい、ビジネス英語を身につけたいなど、多様なニーズにこたえることができます。
また、1クラスの人数は10~15人ほどで、授業レベルは6~12段階程度と細かく分かれています。入学については多くの学校で毎週認められており、受講期間も短期から長期まで目的に応じて決めることができます。
このような特徴から、私立の語学学校は、標準レベルの学校で学習したい人、入学時期や受講期間、自分のレベルに応じてコースを選びたい人、アクセスのよい都市で学びたい人などにおすすめです。
留学先の国や都市にある私立語学学校
3つめは、留学先の国や都市にある私立語学学校です。このような私立語学学校の大きな特徴はオリジナリティがあることです。
一例をあげると、多様な選択科目が選べる学校、少人数制で生徒をしっかりとサポートしてくれる学校、さまざまな国籍の生徒をフォローする体制が整った学校などがあります。1クラスの人数は学校によって異なりますが、多彩なコースの中から自分の英語レベルにあったコースを選べます。
大手チェーン校の私立語学学校と同じく、多くの学校で毎週入学が可能で、受講期間も短期から長期まで目的に応じて決めることができます。また、立地的にもアクセス良好な場所にあるので便利です。
このような特徴から、留学先の国や都市にある私立語学学校は、オリジナリティのある学校で目的に応じて学びたい人、アクセスのよい場所で学びたい人、留学の開始時期や受講期間を柔軟に決めたい人におすすめです。
語学学校選びのポイント
語学学校選びのポイントは、留学の目的や英語力にあった学校を探すことです。ここからは、留学の目的や英語力別におすすめの学校をみていきましょう。
確実に英語力をつけたい人(長期留学)
1つめは、留学の目的が確実に英語力をつけたい人の場合です。このような人は、大手でチェーン校がいくつもある私立の語学学校を選ぶとよいでしょう。
なぜなら、週当たりの授業時間が多く、英語教育の質もよい傾向があるからです。また、生徒をサポートする体制もしっかりしているので、長期の留学でも安心して学べるでしょう。
英語を楽しく学びたい人(短期留学)
2つめは、留学の目的が英語を楽しく学びたいという人の場合です。このような人は基本的に短期留学になるので、生徒数の少ない語学学校を選ぶとよいでしょう。
なぜなら、生徒の数が少なければ、講師の目が行き届きやすく、和気あいあいとした雰囲気の中で楽しく学習できるというメリットがあるからです。
英語力が初級の人
3つめは、現在の英語力が初級の人の場合です。このような場合も、生徒数の少ない語学学校を選びましょう。
理由は、英語を楽しく学びたい人の場合と同様に、講師とコミュニケーションが取りやすく、和やかな雰囲気の中で学習できるからです。なお、留学そのものに不安がある場合には、日本人のスタッフが在駐している学校を選ぶのもひとつの手です。
現時点での英語力が高い人
4つめは、現時点での英語力がすでに高い人の場合です。このような人は、できるだけ規模の大きな学校を選ぶとよいでしょう。
なぜなら、規模の大きな学校ほど選べるコースも多様になる傾向があるからです。また、大規模な学校は参加できるアクティビティも豊富なので、授業以外でもさまざまな国籍の生徒と交流できるというメリットがあります。
海外の大学に進学したい人
5つめは、海外の大学に進学したい人の場合です。このような人は、自分が入りたい大学のESLコースを選ぶとよいでしょう。
なぜなら、大学付属のESLコースはそもそも進学希望者を対象に設定されていることが多いからです。中には、英語力が一定レベルに到達すれば、学部への入学が認められる場合もあります。
ELSコース以外では、希望する大学と提携している私立の語学学校(大手チェーン校)を選ぶのもよいでしょう。大学と提携している語学学校では、規定のコースを修了すれば大学に入学できる場合もあるからです。
まとめ
留学を有意義な経験にするためには、目的や現時点での英語力にあった語学学校を選ぶことが大切です。この記事では、語学学校の種類や語学学校を選ぶ際のポイントについてくわしく解説しました。「なんのために留学するのか」を頭におきながら、各校の特徴を知っていくことで適切な留学先を選ぶことができるでしょう。記事を参考にしていただければ幸いです。